三谷幸喜「大空港2013」

通勤時間を利用してamazon primeにて映画を見ているもとてんです。

このブログでは私の見た映画を自分なりに書き留めています。

これから見ようとしている方や興味ある方はDVD選びの参考などに是非見てみてくださいね。

また見たことある方は余韻に浸りましょう。

今回観たのは【三谷幸喜「大空港2013」】です。

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三谷幸喜氏の作品は気持ちよく笑えたりして好きでもあります。

そして伏線の組み方が面白さを作り出しています。

また、この豪華キャスティングも流石と言う感じです。

それでは簡単な情報です。

【三谷幸喜「大空港2013」】

 

2014年5月公開

 

監督:三谷幸喜

脚本:三谷幸喜
主演:竹内結子、香川照之、戸田恵梨香

 

この映画を見る

言わずと知れた名前がズラリの豪華キャストです。

出発前の空港を舞台にしたコメディ作品です。

そして何と言ってもみどころは100分のワンカットワンシーンというところでしょう。

つまり、1度もカメラを止めずに100分のリアリティな空港の物語ということです。

ミスが許されない中での演技となるので、

俳優さんの演技力やアドリブなのかよくわからない部分だとかとにかくカメラワークから何もかもに脱帽します。

役者さんの凄さを味わうことができます。

とにかく見ていてアッという間で飽きない100分です。

とにかく100分の間にあらゆることが起きます。起き過ぎます。

ここからはネタバレに注意してくださいね。

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大河内のグランドスタッフぷりが素晴らしい

この作品の見どころのひとつが大河内千草(竹内結子)の演技でもあります。

本当のグランドスタッフのような立ち振る舞いはお見事というところです。

しかもワンカットというのだからもうあっぱれですね。

カメラもほとんど大河内を追っているようなものでもあります。

行くところ行くところでトラブルと出会うのは本当に見ていて面白いですね。

また、信州まつもと空港って実在していたんですね。

私は知りませんでした。

ちなみに舞台で扱われる羽田行きの便は実在しないようですね。

それにしてもこの大河内というキャラですが、

可愛らしさもあります。

不倫を目撃してしまった時の微笑や不倫カップルを公園に行かせたあとに

それを撮影スポットとして教えてしまうところなど魅力満載でしたね。

このあたりは不倫する男を嫌う女性の姿が見え隠れします。

さらに最後は主任のプロポーズを受けてみようかというのだから恐ろしい。

夫の不倫

この物語の大きなトラブルのひとつが田野倉守男(香川照之)の不倫でしょう。

不倫相手となるのは歯科衛生士の倉科百合子(戸田恵梨香)です

倉科の若々しい演技も魅力です。

戸田恵梨香はこの手のキャラは珍しいですが、可愛いものですね。

しかも、性欲がすごくて驚きです。

その若い性欲についていく守男もまた凄いですね。

公園で撮影までされたにも関わらず、最後は授乳室でもやろうとするのだからヤバいですね。

不倫と言うのは必ず体関係が目的のひとつでもありますからね。

それにハマってしまう守男は最後のヘリコプターに乗る場面でも何度も倉科に会いに戻ります。

さすがに奥さんを目の前にしてこの行動はちょっと呆れるところですね。

これはお金を持っている男ならではというところでしょう。

不倫のリスクは金でもありますからね。

結婚を申し込む主任

この物語はとあることから始まります。

それは空港内の主任でもある村木繁(甲本雅裕)がいきなり大河内にプロポーズをするのです。

付き合っているわけでもないのに結婚を申し込む本当に酷いというかいい加減な男でもあります。

仕事を辞めてもいいとか言っていますからね。

結婚するなら仕事を辞めたら大変なところなのに。

たぶん貯金が相当あるのかもしれませんね。

館内アナウンスではちょっと笑ってしまいそうなアナウンスを披露します。

ワンカットだけに笑いをこらえるのに必死な場面だったかもしれませんね。

そして終いには結婚を大河内に申し込んだにも関わらず、

厳しいと判断したのか、あっという間に鞍替えして大河内の友達である砂田かおる(青木さやか)に結婚を申し込みあっさりと婚約してしまいます。

とにかく結婚出来れば誰でもいいといういい加減な男でしたね。

それにしても仕事中でしかもトラブルが発生しているというのにナンパばかりしているというのはよく主任になれたなというところですね。

わざと騙される妻

守男が館内で不倫している間に、妻である田野倉美代子(神野三鈴)は空港によく来る詐欺師である国木田修(オダギリジョー)にまんまと騙されます。

しかし、騙されたというより、わざと騙されたというのだからちょっと怖いところです。

美代子は恋する気持ちのようなものを味わいたかったのでしょう。

守男の不倫からもわかるように、このあたりは田野倉夫婦のうまくいっていない家庭の関係が見え隠れするところですね。

もちろん、夫婦としての営みだったりそのあたりはもうまったくないんでしょうね。

なんだかんだで捕まらない国木田も面白く相当な暇人なんだなと感じますね。

プラネタリウムを夢見る叔父

この作品で特殊な存在が叔父の鶴橋蔵之介(生瀬勝久)です。

プラネタリウムを作りたいという思いでとにかく資金が欲しいので、

鶴橋は守男を説得しようとしますが、拒まれてばかり。

しかし、終盤では大河内のアシストもあり、守男の弱みをゲットしますが、

それも結局失ってしまいましたね。

また、演劇をやっていたこともあるという謎な人生経験の持ち主でもありましたね。

ただ、何やってもそんなうまくはいかなさそうなオーラを感じるところです。

娘の結婚

謎が多かったのが娘カップルでしょう。

謎の男でもあった犬山寅雄(梶原善)がなんと娘・田之倉真由美(石橋杏奈)の恋人だったのです。

犬山は食事券を貰おうと媚びる怪しい人だっただけに、

これはまさかの衝撃でしたね。

この事実を先に知ってしまうのが大河内と祖父の鶴橋清正(綾田俊樹)です。

父が後から知って大反対します。

しかし、犬山はかなりのお金持ちでもありました。

今時のアフィリエイトで収入を立てているタイプで、

最後はヘリコプターをチャーターして東京へ行くのを解決してしまいます。

それにしてもこのカップル、個人的にもなしですね。。。

それでも、妊娠してしまっているというのだから、さらなるサプライズでもあります。


弟の予定とは

序盤からちょこちょこ叫んで電話をしている弟・田之倉睦夫(池松壮亮)も気になるところでしたね。

「ブツはどうした?」とか怪しい会話を電話越しにずっとしています。

東京にどうしても夜までに帰らないといけないと何度も訴えます。

その予定は終盤でわかることになります。

弟は俳優を目指していて劇団のオーディションを受けることになっていたのです。

つまり、電話での会話はオーディションの役者としての課題だったということですね。

間に合うかわからないということで、叔父がオーディションをしてあげるということで演技が披露されます。

弟の演技は思った以上に凄いものであり、これが犬山の心を動かしたのかヘリをチャーターすることになりましたね。
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祖父の秘密とは

またまた秘密を抱えていたのが祖父でしたね。

祖母を亡くしてしょんぼりしているのかと思いきや、意外な秘密がありました。

終盤の出発ロビーで暴露することになります。

それはゲイであることでした。

今まではそれを隠して後ろめたい気持ちもあり祖母と一緒にいたわけですね。

それにしても、ここで言う必要あったのかというところでもありますね。

ラストシーンについて

ラストシーンは田之倉家がヘリコプターで東京に出発して、

大河内が家族っていいなと思い、

主任のプロポーズ受けてみようかと思ったら、同僚に先を越されるという感じで終わりました。

最後までちょっとした笑いを提供するコメディという感じです。

何度も不倫相手のところに戻る守男は家族公認で不倫をし続けるのでしょうか。

でも、離婚はしなそうなので、倉科がいつ飽きるかというところでしょうかね。

秘密が多くバラバラな家族にも思われますが、

なんだかんだでみんな家族を守ろうとはしていたりします。

印象的なシーン

印象的なシーンは空港の外で叔父と話す大河内とのシーンですかね。

カメラを持っている叔父に「あちらでいい写真撮れますよ」としてやったりの表情でさりげなく言う大河内はかわいいけど、怖さがあるなと感じられる部分ですね。

もちろん、公園には守男と倉科の不倫カップルがキスやらなにやらイチャイチャしまくってるところでしたね。

これを見事に激写した叔父は守男の弱みを握ることになり、

60万円を出してもらおうとするわけですね。

このシーンだけではありませんが、随所に見せる大河内の表情が自然で気持ち良く感じました。

この映画から伝わる事

この映画から伝わる事は【誰でも秘密はあるもの】でしょう。

人間誰しも秘密を持っているものです。

この作品ではひとつの家族の物語を空港内だけで表現しています。

そして、それぞれが抱える秘密がわかっていくのですが、

その秘密は誰のためで、なぜ秘密なのかなどが考えさせられるところでもあります。

夫は不倫しているが、家族を守るためにもそれは秘密にしたいものです。

ただ、自分の欲求はしっかり満たしたいというところです。

妻もロマンチックに憧れ、乙女心をたまには感じたいと思ったりします。

叔父はプラネタリウムを作りたいという夢を持っていました。

また、弟は俳優になりたいという夢を持っていました。

娘は妊娠していて結婚を両親に認めてもらいたい。

祖父は実はゲイでしたね。

そんな家族も知らないような秘密を持っていたわけですが、

意外とそういう秘密を赤の他人であるスタッフなんかの方が知ってしまったりしているというのはよくある話なのかもしれませんね。

家族だから話せないこと、話しにくいことというのがあるはずです。

それだけ家族というものが特別であり、

守りたいものであるということでしょう。

そしてこれだけのことを同じ舞台のワンカットで納めているのだから、

この作品の凄さがわかります。

邦画ファンのみならず必見の作品と言えるでしょう。

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