あゝ荒野【前篇、後篇】

通勤時間を利用してamazon primeにて映画を見ているもとてんです。

このブログでは私の見た映画を自分なりに書き留めています。

これから見ようとしている方や興味ある方はDVD選びの参考などに是非見てみてくださいね。

また見たことある方は余韻に浸りましょう。

今回観た映画は【あゝ荒野】です。

前篇と後篇で合計約5時間という超編映画です。

見応えはあります。

菅田将暉が主演なので、興味ある方は絶対に観ておいた方がいい作品でしょう。

というのもメッセージ性が強く、けっこう個性的な映画かなと思います。

それでは簡単な情報です。

【あゝ荒野】

 

2017年10月公開

 

監督:岸善幸

脚本:港岳彦 岸善幸
主演:菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり・ユースケ・サンタマリア

 

公式サイト

 

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簡単なあらすじとしては少年院から出てきた主人公がかつての裏切った仲間への復讐のためにボクシングを始めます。

そこで出会った男と一緒に練習するが、最後は戦うことになります。

命について考えさせられる作品でしょう。

ここからはネタバレに注意してくださいね。

主演二人の演技は圧巻

なんといっても主演二人の演技に引き込まれます。

新宿新次(菅田将暉)とバリカン健二(ヤン・イクチュン)が主演なのですが、

菅田将暉の映画はいくつか見ているので、相変わらずイケメンだし、演技うまいなと思うところです。

そして、今回初めて見たのですが、このヤン・イクチュンという俳優さんもまた雰囲気を醸し出しています。

うまく日本語を話せない障害のある設定が生きています。

きっかけは全く違えど、共にボクシングを初めて、新次がバリカンを兄貴と慕う姿はちょっと見ていて気持ち良い感じがします。

というのも、めちゃくちゃ悪さしてきた新次が、内気で真面目なバリカンを兄貴と呼ぶんですからね。

そんな二人のボクシング対決シーンが後篇のメインとなります。

まったく考えも違う二人がそれぞれの想いを抱えて戦う姿は考えさせられるものがあるかもしれませんね。

とにかく濡れ場が多い

この映画の見どころといっていいのか特徴はとにかく濡れ場が多いことです。

新次と芳子(木下あかり)のセックスシーンがめちゃくちゃあります。

今の時代にこれだけのシーンをこんなに入れられることに少し嬉しさを覚えるくらいです。

苦手な人もいるかもしれませんね。

だんだん、芳子の裸に見飽きるくらいです(笑)

こうしたシーンが好きな人は見ておいた方が良いでしょう。

自殺サークルは正直いらない

作品の中で多く登場してくるのが自殺サークルの描写なんですよね。

自殺防止フェスティバルなんてのがあったりして、主催者の一人が自殺したりとよくわからないシーンがあります。

主演のボクシングシーンから度々、出てくるのですが、

正直なところ、この自殺サークルのくだりは果たして必要なのかと思うところです。

見ていて、この場面に変わるごとにちょっと冷めてしまいます。

というのはボクシングをやる二人と直接的に関連していないからでもあります。

この二つの物語のようなものが後篇に連れて一応リンクしていくのですが、

ちょっと内容としては弱いのかなと感じました。

わざわざ前篇、後篇としなくても、この自殺のくだりを無くせば1話完結となるような気もします。

自殺を通じて死について考えさせたいのかもしれませんが、

物語としてはちょっと面白みに欠けるなという感じが否めません。

ボクシングは好きではない

実は私はボクシングが好きではないんですよね。

むしろ嫌いかもしれません。

人と人が殴り合うというのをわざわざ見たいとは思いません。

そのため、この映画でもボクシングシーンは痛々しさしか感じませんでした。

血だらけになりながら戦わなければいけないのか、

これをスポーツと呼んでいいのかと思う次第だったりします。

また、この映画は新次は「殺してやる」という気持ちでボクシングをします。

ひとつのスポーツで、この考え方はどうかと思いますし、主人公にしては悪い人ですよね。

もちろん、仲間を車いす生活にさせた裕二(山田裕貴)はさすがに許しがたいですし、

そんな人がボクシングで応援されていて、平和に暮らしているんだからちょっと気持ちの良いものではありませんよね。

裕二が仲間を棒で殴る姿は何度か映像があるのですが、本当に酷いヤツでクズだなと感じます。

そこに復讐しようとする新次は視聴者からすれば正義でもあったりするところが共感したくなります。

印象的なシーン

印象的なシーンは新次と裕二の対戦シーンでしょうか。

ボクシング経験が少し長い裕二に対して、新次が予想以上に健闘します。

ちょっと反則なのでは(ルールはよく知りませんが)というすれすれの感じで勝つわけです。

本当に裕二のことを殺すのかというあたりに緊張感があります。

リングの上で正当に公式的に復讐を果たしたあたりも気持ちの良い部分でもありますよね。

最後の裕二の戦いを終えた後の表情は素晴らしかったです。

そして、ラストシーンともなる新次とバリカンの戦いですが、

こちらの方は逆に前篇で仲良かっただけに、

殴り合う姿は見ていて気持ちよくはありませんでした。

むしろ、そんなに争わないで欲しいし、

ボクシングというものはやっぱり怖いし、危険だなと感じる次第でしたね。

この映画から伝わる事

この映画から伝わる事は【生きるという事】でしょう。

新宿という舞台でいろいろな人生があって、

それぞれが必死に生きようとしていたり、

そして、生きようとしているものもいれば、殺そうとするものがいて、

また、自殺防止フェスティバルのくだりでは死にたいと思う人がいます。

さらには芳子のように東日本大震災により身内を失ったりした人がいたり。

こういった環境をタイトルでもある荒野と表現していたりします。

オリンピック後の2021年という舞台というのも面白いところでしょう。

生きるということについて多くのことを考えさせる作品でもあります。

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