通勤時間を利用してamazon primeにて映画を見ているもとてんです。
このブログでは私の見た映画を自分なりに書き留めています。
これから見ようとしている方や興味ある方はDVD選びの参考などに是非見てみてくださいね。
また見たことある方は余韻に浸りましょう。
今回観たのは【九月の恋と出会うまで】です。
2019年に公開されたわりかし最新の映画ですね。
期待以上に楽しめる作品でもあります。
タイムトラベルのある作品ですね。
過去や未来の動きのある作品というのはあまり外れがありませんよね。
いろいろ考えさせられたりするので楽しめます。
ちなみに私は2度見てしまいました。
この映画は2回観ないとわからないというか、2回目も十分に楽しめる作品になっています。
1度結末を知った上で、もう一度見るとけっこう見方が変わったりします。
タイムトラベルのある恋愛映画なのですが、
恋愛要素よりも不思議な世界観が魅力という感じでしょうか。
それでは簡単な情報です。
監督は「グッモーエビアン!」「わたしに××しなさい!」の山本透氏。
簡単な内容は引っ越してきたばかりのOLのところに謎の声が届きます。
それは1年後の世界からの声で、OLに危険を知らせるものでした。
その声のおかげで強盗に襲われるはずが助かるのですが、
これによりタイムパラドックスが生じるということで矛盾を解決するために隣人の男と協力していきます。
よくあるタイムトラベルもので起きる矛盾を解決しようとするあたりは
一歩先を行くような設定のように感じます。
伏線の散りばめだったり、なるほどというような展開は見どころでもあります。
ここからはネタバレに注意してくださいね。
実は一目惚れだった
最初に公園で写真を撮る北村詩織(川口春奈)をたまたま見ていたのが平野進(高橋一生)でしたね。
冒頭のシーンで平野が詩織のことを見ているシーンがあります。
このシーンがラストにある詩織の疑問のひとつを解決しました。
なぜ、風邪をひいた詩織に対して、そこまで平野は手厚く看病をしたのかということですね。
要するに、平野は詩織に一目惚れをしていたということですね。
最初の時点から好きという気持ちがあったわけで、
終盤では自分に嘘をついていたりします。
なんだかんだでかわいい面を持ち合わせているのが平野だったりします。
高橋一生は独特のしゃべり方だけに変人役がけっこう合うので、
普通すぎる恋愛作品であると、役柄的に微妙になりますが、
この作品は序盤ではけっこう変人ぽいところがあって、正体不明な部分があります。
そういう部分を考えると、この作品での高橋一生は役柄として似合っているのかなという風にも取れますね。
なぜ尾行をさせたのか
よくよく考えないとわからないのがなぜ尾行をさせたのかというところです。
尾行をする必要はあったのかどうかを自分なりに考察してみます。
過去の詩織にエアコンの吹き出し口から未来から声をかける平野。
未来の平野は【シラノ】という名前で呼ばれます。
シラノは詩織に、平野を尾行してくれと伝えます。
目的としては強盗が入る日に詩織を家にいさせないことになります。
そうなると、その前に尾行する必要があるのかということですが、
これは徐々にシラノの存在を肯定してくれてきた詩織に対して、
事件当日の作戦を日課とするためでもあるでしょう。
また、尾行することで、詩織が平野を意識するという状況を作り出します。
この尾行で詩織は平野に対しての変化が見られました。
それは平野は意外とかわいいところがあったり、性格がよくわかるということです。
そして、この尾行が日課となったことで、事件当日にも外出させることに成功します。
事件当日は詩織は熱があり体調が悪かったわけですね。
本来であれば、家で寝込む必要があります。
しかし、日課となっていて、最後のお願いということでその日も尾行をします。
そうでなければ、具合が悪い時にわざわざやらないですよね。
強盗に襲われるはずの現実?
本来であれば、強盗に襲われていたかもしれない現実があります。
詩織は留守だったため、助かったとも取れますが、
留守だったから、強盗が入ったということでもあります。
家にいれば、空き巣というのは来ることはないわけですから、
元々、強盗に襲われるはずの現実というものは存在しないのでしょう。
そして、よくよく考えると、空き巣が入ってくれることで詩織と平野は繋がることができました。
詩織が事件当日に家にいてしまうと、
事件自体が起こらないので、詩織と平野が繋がるきっかけがなくなるわけで、
結局のところ、やりたかったことは詩織と平野が出会うということになります。
シラノの正体
シラノの正体は平野でした。
これはエアコン吹き出し口からの声でだいたいわかることでもありますよね。
しかし、物語では実際に平野はその声も聞いていなければ、
未来の自分の姿なのでわかるわけもなく、シラノは自分ではないと思ってたりしました。
途中に出てくる森秋真一(古舘佑太郎)という男と詩織がくっつくのではと考えていたりしましたね。
この真一という存在は結局はほとんど関係ない存在で、後に平野に詩織への想いを気づかせました。
それにしてもリアルの平野の声を聞いた時に詩織が「声が違う」と言ったのが物語を少し考えさせましたね。
この「声が違う」という意味はけっこう謎でもあります。
初日はシラノは泣いていたという影響で声が違ったかもしれませんが、
その後の声も聞いていたわけですので、声の違いには繋がらないのかなというところです。
自分の考えとしては、シラノは詩織を助けようとしていて、
既に恋に落ちている状態なので、現在の平野とは詩織に対する想いに大きな差があるので、
それが声にも表れているのかなというところです。
そしてもうひとつは小説で新人賞という結果を出したシラノとどん底の状態にいる平野では自分自身への自信がまったく違うので、それが声にも表れているということでしょう。
「声が違う」という一言はけっこう深い意味があることがわかります。
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1年待たなければいけない恋
タイトルの「九月の恋に出会うまで」に深く繋がるのがこの1年待たなければ成立しない恋でしょう。
この恋物語の面白いところはタイムパラドックスの問題を解決しないと恋が成立しないというところです。
タイムパラドックスに矛盾があると詩織は消えてしまう可能性があって、
詩織自身もそれを意識していて、その時間になるまでは不安だったりします。
詩織は昇進のための異動が決まり引っ越しをする前に平野に恋をしており、
それを伝えていますが、平野は自分はシラノではないと伝え振っています。
しかし、1年後に平野は自分はシラノだったと詩織に伝えハッピーエンドとなります。
この空白の半年間で、平野は自分の気持ちに気づき、小説で結果を出し、
自信をつけて詩織に気持ちを伝えることにも成功しましたね。
1年前に恋を成就させてしまっていれば、物語は成り立たなくなるということでもあります。
このあたりは面白いと思いました。
印象的なシーン
印象的なシーンを挙げるとすると、詩織と平野が出会うシーンですかね。
既にシラノと詩織はエアコンの吹き出し口を通して話していて、
詩織は平野の尾行はしていましたが、実際には会ってはいませんでした。
出会いのシーンは平野が詩織の家に行き、エアコンの話をするところです。
そして、風邪で熱がある詩織が倒れて、平野が抱えます。
この場面が「羨ましい!!!」と思ったりしましたね。
だって、川口春奈が倒れて抱きかかえるんですよ。
もう世の中の男なら嬉しい展開でしかないでしょう。
ということで印象的なシーンとして挙げさせていただきました。
この映画から伝わる事
さて、この映画から伝わる事ですが、
それは【努力の恋】というところでしょうか。
この対義語となるのが運命の恋と考えます。
よく運命の出会いとかあって、自然に恋が成就していくなんていうストーリーがありますが、
この物語はまったくの逆でもあります。
運命に逆らって、乗り越えていかなければいけません。
何もしなければ、ただの一目惚れで終わって恋にも発展しません。
主人公の平野は小説で結果を出して、自分自身に自信を持ち、告白して恋を成功させました。
また、相手のために時空を超えて出会いを生み出しました。
たまたま、詩織に未来からの声が届いたのではなくて、
これは平野の強い思いが生み出した奇跡であり、
それは恋を成功させるためのもので、
「男はみんな奇跡を起こしたいと思っている。好きになった人のために」
という最後のシーンの言葉がそれを伝えていますね。
奇跡は起きるのではなく、起こすということですね。
時空を超えた恋愛物語ではありますが、
何度見ても楽しめる魅力的な作品だと思います。
興味ある方は是非見てもらいたいですね。
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