通勤時間を利用してamazon primeにて映画を見ているもとてんです。
このブログでは私の見た映画を自分なりに書き留めています。
これから見ようとしている方や興味ある方はDVD選びの参考などに是非見てみてくださいね。
また見たことある方は余韻に浸りましょう。
今回観た映画は【坂道のアポロン】です。
今から50年以上前の1966年の佐世保が舞台となる作品です。
それでは簡単な情報です。
監督の三木孝浩氏は「青空エール」などを手掛けています。
簡単な内容としてはジャズが大好きでドラムを叩く少年とピアノ少年がセッションをして仲良くなるという昭和の青春ドラマです。
見どころはこの二人の少年の友情と演技とセッションといったところでしょうか。
私は生まれてもいませんが、何か懐かしさを感じる昭和の映像は良いですね。
ここからはネタバレに注意してくださいね。
音楽が2人を繋ぐ
物語は1966年の佐世保の学校に一人の転入生が来るところから始まります。
西見薫(知念侑李)は真面目な優等生。
クラスで優しく接してくれた迎律子(小松菜奈)と仲良くなりレコード店を営む家で偶然に
同じクラスの律子の幼馴染でもある不良の川渕千太郎(中川大志)と出会います。
ジャズでドラムを叩く千太郎とクラシックでピアノを弾く薫というまったく違う路線でやっていた二人が
セッションをして、仲良くなるという物語です。
薫は律子の「二人のセッションが見たい」という期待にも応えたく、
千太郎のドラムとセッションできるように練習を重ねます。
二人が一緒にセッションをできるようになるのを見ていると心が和みますね。
優等生と見た目不良っぽい二人が音楽を通じて仲良くなるのは見ごたえ十分でした。
恋の行方
物語にはもちろん恋もあります。
基本的には恋愛より友情や音楽の方が強いのですが、
この友情と音楽を引き離そうとするのが恋だったりします。
そういう意味では恋愛映画とはならずに、恋愛をうまく使っていて面白いところです。
具体的な恋愛の流れとしては、
転向したての薫は律子のことを好きになります。
しかし、律子は幼馴染の千太郎のことが好きでもあります。
一方の千太郎はドラムが大好きで見向きもしていませんでしたが、
年上の百合香(真野恵里菜)に惹かれます。
しかし、その百合香は音楽で慕う淳一(ディーンフジオカ)の恋人でした。
それを知って失恋し、そのことに気づいていたということで千太郎は薫と喧嘩してしまいます。
この一連の関係がいかにも学生という感じの恋愛感なのは見ていてほっこりするところでもあります。
そしてこの3人は最後は誰とくっつくわけでもありませんでしたね。
最終的には3人の友情が残っていたところも、後味として悪くないところでしょう。
律子がどちらかとうまくいってしまうと、残った1人はちょっと寂しいものもありますからね。
3人の男女の友情で終わるところは気持ちいいかもしれません。
幻のボーカルは聴きたかった
物語の終盤で大きな動きがありました。
クリスマスで律子のボーカルも加えたセッションを薫、千太郎と共にするはずでしたが、
千太郎は原付で律子を乗せて向かう途中に車にぶつかり事故に遭ってしまいました。
まだ道路も整備されていないこの時代によくありそうな事故なんでしょうか。
幸い、二人は無事でしたが、律子を傷つけてしまった千太郎は責任を感じて消えてしまいましたね。
これによりクリスマスでのライブは中止となってしまい、
律子の歌うシーンは見ることができませんでしたね。
そして、ラストシーンで3人が再会したところで律子が歌うかと思いましたが、
最後までその歌声とセッションは聴くことができませんでした。
このあたりはちょっと期待していただけに、聴きたかったのですが、
女性の歌声が入ると、そのイメージが強く出過ぎてしまうかもしれませんし、
これはこれでアリだなと思います。
印象的なシーン
印象的なシーンを挙げるとすると、文化祭のシーンでしょうか。
クリスマスの事故の前に文化祭のシーンがあります。
百合香のことで喧嘩してしまった薫と千太郎が文化祭を通じて仲直りします。
もちろん、それも音楽が2人を繋ぎます。
文化祭では千太郎が拗ねてからから好きでもないロックバンドのドラムに薫への当てつけで参加します。
しかし、機材トラブルで急遽ロックバンドの演奏ができなくなる事態になります。
そこで実行委員でもある薫はピアノを弾いて、乱れる客たちを宥めます。
そこに千太郎がドラムを叩いて、二人で久しぶりにセッションをします。
観客たちを魅了するこの二人のセッションで二人は再び仲直りしました。
電気がなくても演奏できるところにピアノとドラムの良さが伝わりましたね。
このあと流行していく電気系の音楽とは違うところに楽しさがあるような気がします。
この映画から伝わる事
最後にこの映画から伝わる事は【音楽の力】というところでしょうか。
この作品では音楽がまったく違う人間を結びつけました。
二人の価値観はもちろん、音楽のジャンルさえ違う二人がセッションをすることによって友達になる姿は見ていて感情移入しやすく感動してしまいます。
令和の時代になっても音楽の力は人々に力を与えてくれていますね。
こうしたジャンルの垣根を超えたセッションというのもどんどん出てきてますし、
違うジャンル同士の人たちが仲良くやっていたりする姿って両方のファンから見てもちょっとほっこりするところでもありますよね。
違うもの同士でも何かのきっかけだったり、根っこの部分は同じだったりします。
これはどんなことにおいても言えることで、
例えばスポーツでもそうですよね。
野球とサッカーって敵対しているように感じる人も多いかもしれません。
特にファンなんかだと対立しがちだったりします。
しかし、実際にやっている方は意外とそうでもないですよね。
野球とサッカーの有名選手がコラボしていたり、対談していたりすると
やっぱりやっているスポーツが違っていても芯は同じだったりします。
けっこう裏では仲良い選手なんかもいるのではないでしょうか。
音楽にも同じことが言えて、ジャンルが違っていたり、楽器が違っていても
音楽を愛することは変わらないし、そこに友情だってできるわけですね。
何事も上辺だけだったり、表面だけで決めつけたりするのもいけませんね。
この作品では人生においてすごく大事な部分を教えているようにも感じます。
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