クソ野郎と美しき世界

通勤時間を利用してamazon primeにて映画を見ているもとてんです。

このブログでは私の見た映画を自分なりに書き留めています。

これから見ようとしている方や興味ある方はDVD選びの参考などに是非見てみてくださいね。

また見たことある方は余韻に浸りましょう。

今回観たのはクソ野郎と美しき世界です。

SMAP解散から生まれた新しい地図の3人が出演する作品です。

4人の監督とコラボしての新しい地図のプロモーションのようなものでもあるのでしょう。

それでは簡単な情報です。

【クソ野郎と美しき世界】

 

2018年4月公開

 

監督:園子温 山内ケンジ 太田光 児玉裕一

脚本:園子温 山内ケンジ 太田光 児玉裕一
主演:新しい地図(稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾)、浅野忠信、

 

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少し作品としては難しいのかなと感じるところがあります。

4つの監督脚本がそれぞれ違う物語から成り立っています。

新しい地図の3人がそれぞれ主演で、最後の物語は3人揃って登場します。

そして、物語は最後に繋がりを見せます。

新しい地図の3人の魅力を最大限に活かすことを考えていて、

そのあたりの演技が見どころとなっています。

また、それぞれの物語が共通しているものを捉えており、

そのあたりに素晴らしさを感じます。

ここからはネタバレに注意してくださいね。

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ピアニストを撃つな!

最初の物語は園子温監督の作品です。

天才ピアニストの稲垣吾郎が愛するフジコ(馬場ふみか)がヤクザ連中に追われます。

親分の愛人でもあったフジコを稲垣に奪われた腹いせから稲垣の指を落とそうとします。

天才ピアニストの指を落とすという最悪なシナリオでもあります。

大事なものを失うことの怖さ、辛さ、厳しさが痛々しくもわかります。

物語としては少しわかりにくい感じがしました。

慎吾ちゃんと歌喰いの巻

一番、単純で面白いのがこの作品ではないでしょうか。

監督の山内ケンジは先日観た「友達のパパが好き」と同じですね。

歌喰い(中島セナ)という謎の女性は歌を食べることでお腹が満たされるという特殊な体を持つSFファンタジー。

香取慎吾は歌おうとした瞬間に歌喰いに歌を食べられてしまって歌えなくなります。

SMAPのヒット曲を歌おうとしている感じに見えるところが面白いし、

ちょっと聴いてみたくなるところでもあります。

そして、面白いのが歌喰いは食べた歌をうんことして排泄します。

そのうんこを食べると再び歌えるようになるというのです。

ちょっと気持ち悪いのですが、唯一の救いはうんこが鮮やかで綺麗な色をしています。

最後はうんこを残して歌喰い女は消えてしまいます。

この作品では歌を失くすという怖さを描写しています。

自分の歌が歌えなくなるというのは辛いですよね。

そしてこれはリアルなSMAPの話に通じるものがあるでしょう。

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光へ、航る

爆笑問題の太田光が監督という作品です。

主演の草彅剛のヤクザまがいの演技は一番彼に合っていて評価の高い役柄ではないでしょうか。

ただ、自分の中ではこの作品が一番よくわからないストーリーに感じました。

息子の腕を移植して生きているという少女に別れた夫婦が再び一緒になって会いにいくというような話です。

シリアスな内容ではあるものの、指を借りますのくだりが何度か見たのですがイマイチよく理解できませんでした。

少女を誘拐してプロポーズする変態青年は何者なのか。

草彅が発見してキレて指を切断して借りる、という感じでしょうか。

冒頭のシーンは後のシーンで話を戻したのか、ちょっとわかりにくいですね。

また、何かと中途半端に終わります。

腕や指という体の一部を失うことの痛々しさも伝わるところですね。


新しい詩

最後の作品は3人がそれぞれ繋がって、

クラブハウスのようなところで出会います。

これはまとめみたいなものでストーリー性なんかは極めて低いものでもあります。

とはいえ、前の3つの作品の中途半端な部分はここに繋がっていました。

ある程度、完結編という感じで描かれています。

天才ピアニストの稲垣は指を切断されたと思われましたが、

親分が自分を犠牲にして阻止しました。

香取のうんこは調理されて食べたことにより、

新しい詩となって香取が歌います。

また、最後の謎の草彅の作品でしたが、

最後の電話のシーンはフジコを追っていた最初の物語の親分が電話相手で

誘拐犯相手にボールを投げたのも彼でしたね。

その男がクラブでバーテンダーをやっているというのはちょっと不思議なところですね。

そんな感じで3人が同じ場所で集い終わります。

ラストシーンについて

ラストは3人が集った後の映像というところでしょうか。

出演したそれぞれの人物のその後が言葉なしに写されています。

どの人物もクソ野郎だった瞬間はあったけど、

新しい地図の歌声とともに美しき世界というものを描いているというところでしょう。

印象的なシーン

印象的なシーンはなんといってもトイレのキレイなうんこでしょう(笑)

歌をトイレに流すという発想は斬新でもあります。

また、この映画の肝となる部分ではないでしょうか。

というのもタイトルからもわかる通り、

どんなクソ野郎だろうと、良いところを持っていたりして、

美しき世界が存在するものです。

トイレに排泄された歌喰い女のうんこも同じで、

私達はうんこ=汚いと思い、色も自分の中で想像してしまっているでしょう。

しかし、うんこでもきれいな色を持っているというこのSFな世界はまさにクソでも美しいという世界観と一緒なのです。

この映画から伝わる事

この映画から伝わる事は【大事なものを失うことの辛さ】でしょう。

それぞれの作品で描かれている共通しているものは失うということです。

天才ピアニストの指であったり、歌手の歌、大事な人の体だったりします。

ジャニーズとのいざこざで私たちはSMAPを失いました。

そしてSMAP自身も解散して、新しい地図の3人は歌も失いました。

SMAPという過去自体を失ったようにも感じます。

そんな3人の失っている現実を作品を通して改めて感じるところです。

SMAPファン向けの作品かもしれませんが、3人の良さをそれぞれ引き出していますし、

よほどのアンチでなければ見ておいてもいい作品かもしれませんね。

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